いよいよ2021年がスタートしました。AWAでは、エディターが今年のブレイク間違いなしと太鼓判を押すアーティストを部門別でご紹介します。
新進気鋭系からロングキャリアのアーティストまで、ぜひこの機会に聴いてみてください。
POP部門
泣き虫
突如として現れ、メディア露出ゼロにも関わらずTikTokで起こった偶然のバズりがきっかけで中高生を中心に注目を集めている泣き虫。歌い手Adoとの初コラボ曲「Shake It Now.」を含め、彼が2020年にリリースした楽曲数はなんと7曲。2021年2月10日には待望の1stアルバムのリリースを控えている。耳に残る独特なフレーズと心地良いリズム、振り幅の広い楽曲に加え、何よりメロディーのキャッチーさが秀逸だ。ハスキーというより”しゃがれている”という表現がしっくりくる、色気のある声で独自の世界を切り開いていくであろう彼の今後に注目したい。ちなみに、この声に惹かれたら、InstagramやTikTokにアップされている弾き語り動画も必見だ。ギターも上手い。リズム感に悶絶する。ジャンルレスアーティストであることに間違いはないが、泣き虫の根幹にある抜群のポップセンスに惹かれずにいられない。(Makiko Kashio)
ROCK部門
This is LAST
2018年5月に結成された千葉県柏発スリーピースロックバンド、This is LAST。”よくある失恋を歌うバンド”という枠に収めるには勿体無い。彼らの楽曲を聴いた時にその声と言葉の持つ”何か”に惹きつけられ、情景が浮かび、さらに曲の端々に散りばめられている仕掛けに驚いた。歌詞を伝えることに対して、どこまでも貪欲なバンドだと思った。Vo.陽報のジェイムズ・ヘットフィールドを彷彿とさせるちょっと前傾姿勢で切ないメロディを歌い上げる姿や、本番に強いタイプというBa.りうせいの全てを曝け出すような姿、Dr.てるのバンド全体を支える静と動の演奏、ライブスタイルにもグッとくる。これから先、大きい会場で演奏する時も彼らはきっと物怖じしないだろう。2020年の間でも飛躍的な成長を遂げた彼らが、この一年でどんな進化を見せてくれるのか。いつか武道館でカレーが振舞われることを期待しながら、今年の彼らを見つめ続けたい。(Makiko Kashio)
HIPHOP部門
JUBEE
CreativeDrugStore所属のラッパー/プロデューサーのJUBEE。2017年に全曲セルフプロデュースの1stアルバム「Time goes by」をリリースし、その約2年後、自分を見つめ直し、最も影響を受けた音楽や好きなことをやっていくと決めたJUBEEは、ヒップホップのみならずミクスチャーロックやテクノ、ハウスを取り入れた作品を続々とリリースし、殻を破ったように感じた。なかでも、2020年にSARA-Jを客演に迎えてリリースした「Joyride」は、2ステップ・サウンドを取り入れた楽曲で、最高だ。また、KMプロデュースによる、(sic)boyとの「Set me free」は、ゼロ年代のLINKIN PARKやTHE MAD CAPSULE MARKETSを思い出させるが、しっかり新世代サウンドにアップデートされた、エッヂの効いた楽曲。JUBEEはソロだけでなく、プロジェクト〈Rave Racers〉を立ち上げ、イベント開催や音源リリースなども行なっている。今年もソロはもちろん、〈Rave Racers〉としても面白いことを仕掛けてくるのが、今から楽しみだ。(Toru Miyamoto)
R&B部門
906/Nine-O-Six
2010年に大阪で結成した、トラックメーカーデュオ・906 / Nine-O-Six。ジャズのサンプリングを分解、再構築し、ブラックミュージック特有の揺らぎをもったグルーヴと、暖かいメロディーに乗せた緻密なラップが見事に融合されている。2020年にリリースされたEP「THE BAD & THE BEAUTIFUL」は、まさにそれが言えるであろう、素晴らしい作品だ。また、アーティストとのコラボも積極的に行なっており、SoulflexのZINとの「Terminal」と「KNOWN UNKNOWN」やケンチンミンとの「Touhikou -逃避行-」も是非チェックしてほしい。今後も今のスタイルを変えず、さらなる高みを目指してほしい、期待大のアーティスト。ライヴでのパフォーマンスも圧巻だ。(Toru Miyamoto)
オルタナティブ部門
HIMI
2020年1月、PERIMETRONの西岡将太郎とHIMIがクリエイティブレーベル〈ASILIS〉を立ち上げ、同レーベルからHIMIが1st EP「STEM」をリリース。全曲宅録で楽器も打ち込みも全てHIMI自身が行なった、という本作はデモっぽい雰囲気がありつつも、聴き心地が良く、ポテンシャルを感じる作品に仕上がっている。2020年は他にもシングルのリリースをしていたが、今年はアルバムのリリースも期待したい。また、HIMIの活動の幅は広く、Friday Night Plansに楽曲提供等をしているDr.Payと共にユニット・D.N.A.や和製ソウルバンド・Shuns'ke G & The Peasとセッションをするなど、今後の動きにも目が離せない。(Toru Miyamoto)
JAZZ部門
モノンクル
吉田沙良と角田隆太からなるソングライティング・デュオ、モノンクルは日本語詞とポップスとジャズが融合した他にはないスタイルで活躍している。2020年は「シチズン クロスシー」のCMソング「Every One Minute」のリリースとともに表記をひらがなからカタカナに変更した。ジャズはよくわからない、そう思う人にとって、おそらくこれ以上ないくらい自然に招き入れてくれるのがモノンクルだ。ポルノグラフィティやモーニング娘。の楽曲をカバーするなど、ジャズに触れるきっかけ、そして深みにハマるきっかけをくれる。(Makiko Kashio)
Dance-Electronic部門
Last Electro
Ippei Sawamura(SANABAGUN.)、Jun Uchino(Mime)、Yusuke Nakamura(BLU-SWING)、Kan Sanoの4人から成るリーダー不在のミュージシャンズミュージシャン集団。各々が第一線で活躍する彼らは、クラブミュージックをベースに、R&Bやソウル、ジャズなど、まさにボーダレスにさまざまなジャンルが溶け込んだ音楽を鳴らす。彼らの音楽はとにかく聴いていて気持ち良くて心地良い。その心地良さに自然と身体が揺れ、”何も考えない時間”を与えてくれるLast Electroの音楽は、コロナ禍で疲弊した人々の身も心も、まるで無重力空間で浮かぶような浮遊感で癒してくれる、そんな気がする。(Makiko Kashio)
声優アーティスト部門
高野麻里佳
2015年に結成されたイヤホンズという声優ユニットから、今年2021年2月24日に高野麻里佳が「夢みたい、でも夢じゃない」でソロアーティストとしてデビューする。『Re:ゼロから始める異世界生活』『異世界はスマートフォンとともに。』など人気アニメで活躍し、可愛らしい女の子から大人なお姉さんまで演じる声の幅と表現力は心奪われる。歌もとても魅力的で、イヤホンズでの楽曲はもちろん、キャラクターソングではキャラの特徴を活かしながら高い歌唱力で歌い上げている。そして「夢みたい、でも夢じゃない」のPVを見たが、めちゃくちゃ可愛い。曲も明るく元気をもらえるような素敵なデビュー曲だ。綺麗でスッと心に入ってくるような気持ちのいい歌声、こちらが笑顔になれるような歌声が推しポイント。ゲーム実況動画チャンネル「ゴー☆ジャス動画」でアシスタントとして出演しているので、まりんかの可愛さに気づいてしまった人はチェック。(アワアニメの中の人 R)
アイドル部門
神使轟く、激情の如く。
2017年9月30日に結成した神使轟く、激情の如く。通称:神激(しんげき)。個性豊かな6人のメンバーがラップやロックバンド顔負けのMCと煽りで、アイドルファンのみならずバンドキッズファンも獲得中だ。また、ファッションセンスやそのビジュアル性から女性ファンも多く抱えている。楽曲はもちろん、彼女たちのライブもとてもロックだ。それぞれが楽曲の合間に自分の言葉で思いを伝え、訴えかける姿には胸を打つものがあったし、何よりライブ全体のクオリティの高さに脱帽した。プロ根性が半端じゃないし、初見でもあっという間に時間が過ぎるほど見事なエンターテイメントだった。コンスタントに楽曲をリリースし、ライブ活動を行う神激の今後に注目したい。(Makiko Kashio)
いかがでしたか?
ぜひ、今年注目のアーティストをチェックしてみてください。