AWAが注目するネット発アーティストの楽曲を毎月プレイリストで公開。本記事ではプレイリストの中からピックアップした楽曲をご紹介します。今回は2023年9月にリリースされたタイトルから5曲をセレクト。ぜひプレイリストと合わせてご覧ください。
■注目のネット発アーティスト 2023年9月度ピックアップ楽曲
月詠み「夢と知りせば」
ボカロPとしても活動する作曲家ユリイ・カノンが主催し、作品に応じて様々なクリエイターを編成する音楽プロジェクト「月詠み」の最新EP『アナザームーン』のリードトラック。オンラインアクションRPG『ドラゴンネスト2:エボリューション』のテーマソングに起用され、ボーカルYueの透き通った歌声、和の趣きを感じる流麗なピアノの旋律、サビで爽快に駆け抜ける4つ打ちビートが特徴的。ユリイ・カノンが月詠みで表現してきた「夢」というテーマについて、夢を追いかけることの喜びと葛藤の両面性が描かれた歌詞も、リスナーそれぞれの境遇によって様々な捉え方が出来る1曲。
Dios「自由」
たなか(ex. ぼくのりりっくのぼうよみ)、海外の有名アーティストの作品にも参加しているギタリストIchika Nito、ボカロP/ビートメイカーとしても活躍するササノマリイによる3人組バンド「Dios」の2ndアルバム『&疾走』のリードトラック。曲名の通りポップミュージックのフォーマットの中で限りなく自由を追求しためくるめく曲展開、伸びやかなサビと軽やかなラップを行き来するボーカルは圧巻。一方で世の中に蔓延る「自由になれ」という無責任なメッセージに向き合い、自分を捨てて鎖で縛ることで逆説的に自由を説くリリックにも耳を傾けて欲しい。
jon-YAKITORY「NONAI feat. モリスレイ」
歌ってみたコレクション(歌コレ) 2022春・秋で ルーキーランキング1位、Top100ランキング3位を獲得、2023秋ではTop100ランキング2位を獲得した人気新人歌い手「モリスレイ」と、Adoとのコラボ楽曲等が人気を博すボカロP「jon-YAKITORY」によるコラボナンバー。jon-YAKITORYらしい緻密さと荒々しさ、そして中毒性が三位一体となったトラックに乗せて、モリスレイのまくしたてるような攻撃的なボーカルが孤独や劣等感を振り払うように耳を貫く。モリスレイにとって初のオリジナル曲にして個性が遺憾なく発揮されているナンバー。
煮ル果実「ZOO」
主にボカロPとしてキャリアを重ね、ずっと真夜中でいいのに。ナナヲアカリ、Sou、Ado等のメジャーアーティストにも編曲や楽曲提供を行っている「煮ル果実」のメジャー1stアルバム『FRUITÁGE』に収録されているナンバー。多種多様なジャンルを縦横無尽に行き来しながらボーカロイド楽曲としての表現を追求した本アルバムにおいて、本人が”アルバムの心臓”と語り最も率直な想いが歌詞に込められた1曲。ボカロ楽曲ならではの無機質さもありつつ、だからこそ”この世界が美しく見えるのは~”と始まるサビのフレーズのメッセージや、繊細なギターの旋律が一層際立って胸に響く。
ChumuNote & 結目ユイ「紙ヒコーキガール」
最先端VTuber&豪華クリエイターによるオリジナル楽曲コンプリート・ベストアルバム『VirtuaREAL BEST.02』より、個人勢VTuberの「ChumuNote」とAvatar2.0Project所属のVTuber「結目ユイ」のコラボナンバー。楽曲毎に様々な表情を見せる2人だが、今回のコラボは底抜けにポップでピュアな魅力に溢れている。重なり合う2人のハーモニーがどこまでも伸びやかに広がり聴き手を心地よい上昇気流へと誘う。ようやく夏が終わったこの時期に、涼しくて澄んだ風を送り込んでくれるナンバー。朝の散歩のお供にもピッタリ。