冬季オリンピックで楽しみな競技のひとつに、フィギュアスケートがあります。男性・女性とどちらも見ごたえのある注目選手が勢ぞろいしているのでおすすめの競技です。フィギュアスケートでは、その年のプログラムとして曲目が決まりますが、今回は各選手の2019年-2020年のプログラム曲について紹介します。おすすめの選出曲もあり、今回は今までの音楽と違う雰囲気の曲に挑戦している選手もいます。ぜひチェックしてみましょう。
2019〜2020年選出曲【男子選手】SP編
Great Spirit / Armin van Buuren vs Vini Vici
(宇野昌磨:Great Spirit )競技用のプログラムを今回初めて海外の振付師に依頼して臨みます。SPの曲は昨季のエキシビションに使用していた曲「Great Spirit 」です。この曲は、「エーエーエーエア、エーエア、エアオ」が印象的なスピリチュアル感のある音楽でトランスミュージックでかっこいい曲調なのでおすすめです。今回のために振り付けを競技用に手直ししました。激しく力強い曲調に乗る新しい宇野昌磨が見られるでしょう。この曲での成績は、全日本フィギュアスケート2019のSPは第2位でした。
https://s.awa.fm/track/c545ab96d3b72431c975/
バラード第1番 ト短調 作品23 / 辻井伸行
(羽生結弦:バラード第1番 ト短調 作品23 )四大陸選手権から、SPの曲を平昌五輪で滑ったバラードの名曲に戻しています。品のあって流れるようなバラードは、羽生結弦のイメージにぴったりの音楽。平昌で最後に跳んだジャンプを今回は2つ目で跳ぶなど、曲ではなく構成を変更しての勝負です。この曲で四大陸選手権のSPでは、111,82点という世界最高得点をたたきだしました。活躍している羽生結弦は、国際スケート連盟(ISU)からISUアワード初代最優秀選手賞を受賞。必然といえるでしょう。
https://s.awa.fm/track/bd71bf6c8ea695823e31/
Hip Hip Chin Chin / Club Des Belugas
(田中刑事:Hip Hip Chin Chin )今季は、新しいジャンルにチャレンジするSPの曲「Hip Hip Chin Chin」。曲に乗ってトリプルアクセルから始まる演技が爽快で見るならおすすめです。曲に負けたくないという気持ちにあふれているでしょう。ダンサブルなナンバーで、田中刑事の今までにないイメージを一新する、斬新な曲調に注目しましょう。これからどこまで成績をあげられるのか楽しみです。
https://s.awa.fm/track/bd21eace9194908f6d35/
La bohème / シャルル・アズナヴール
(ネイサン・チェン:ラ・ボエーム)羽生結弦の前に立ちはだかるのか。ライバルのネイサン・チェンが選択した音楽は、SPではシャンソンの名曲「ラ・ボエーム」です。ネイサン・チェンは新境地に挑戦します。歌っているシャルル・アズナヴールはフランスの世界的シャンソン歌手で、2018年に94才で亡くなりました。回転の早いジャンプと、舌をまくようなシャンソンとがマッチしています。ますます演技に入り込む、甘美なナンバーでのネイサン・チェンが見られるでしょう。この曲での演技では、フランスGPで1位を獲得しています。
https://s.awa.fm/track/704f23d747d9053c4450/
I Can't Go On Without You / Kaleo
(ジェイソン・ブラウン:I Can't Go on Without You)羽生結弦と練習拠点が同じ、ジェイソン・ブラウンです。今シーズンも曲目は変えてきました。SPで選んだのは「I Can't Go on Without You」。渋めの静かな曲で、演技が引き立ちます。口笛が時折入るのが特徴です。2020年四大陸選手権でのSPは、この曲でパーフェクトに近い演技で3位発進といい位置につけました。そのときに、羽生結弦直後の滑走を経験したジェイソン・ブラウン。「熊さんがあちこちに飛んできて僕もパワーをもらいました」と、さすがポシティブな回答です。
https://s.awa.fm/track/fec720866e2cc3aea928/
2019〜2020年選出曲【男子選手】FS編
Dancing On My Own (Instrumental) / Calum Scott
(宇野昌磨:Dancing On My Own )SPの曲とは打って変わって、哀愁漂う繊細なメロディ。宇野昌磨の伸びやかなスケーティングが乗っていくでしょう。彼の勝敗のポイントは4回転フリップを跳べるかどうか。ジャンプが次々と決まってくるようであれば、宇野昌磨を導くプログラムとなるでしょう。こちらの曲ではオランダのチャレンジカップで見事な演技を披露しています。
https://s.awa.fm/track/1b05f9c9854409729e43/
陰陽師・メインテーマ / Original Soundtrack
(羽生結弦:SEIMEI)羽生結弦といえばこの曲「SEIMEI」。この曲はルール改正のために30秒短くなりました。曲を好調期に戻し、構成を変えながら挑んだ四大陸選手権では、初優勝。これで、男子シングル初となるジュニア・シニアの主要国際大会の全てを制覇する「スーパーセラム」も達成です。今後もケガがないことを祈りながら応援していきましょう。
https://s.awa.fm/track/653ab5ac26d61e855f30/
Discombobulate (『シャーロック・ホームズ』より) / Hans Zimmer
(田中刑事:シャーロック・ホームズより)FSには映画『シャーロック・ホームズ』よりを選び、構成も3本の4回転を組むという攻める内容。最後のキメポーズのからの目線にも注目しましょう。この曲目で挑んだ2020年2月のチャレンジカップでは、宇野昌磨の優勝に次ぐ2位となっています。
https://s.awa.fm/track/59ccc765bcd4ee781455/
Rocket Man / Taron Egerton
(ネイサン・チェン:映画ロケットマンより)歌手エルトンジョンの自伝映画である『ロケットマン』の曲を選択したFSは、全体的にダンサブルな内容でポップ調の振り付けですが、ラストではクールに決めています。得意の回転は健在。バレエで身に着けた足さばきも活かされています。世界王者ならではの魅力が満載のプログラムです。羽生結弦とはまた違ったオーラで、王者の貫禄を感じます。
https://s.awa.fm/track/beb722bf44f2e0db2700/
シンドラーのリスト / Richard Clayderman
(ジェイソン・ブラウン:シンドラーのリストより)今季のFSに「シンドラーのリストより」を選んだジェイソン・ブラウン。どちらかというとSPもFSも曲が静かで品のある曲を選んでいます。優雅に滑りながらも切なさが伝わって来るような滑り。そして感動する演技を魅せます。映画『シンドラーのリスト』は、第二次対戦下、ナチスの虐殺から1,200人のユダヤ人を救った、実在のドイツ人の姿をドキュメンタリーで描いた映画です。中身の濃い映画の主題歌なので表現が難しいのではないでしょうか。そんな事を想いながら、演技を見るともっと深い感動がわいてくるでしょう。
https://s.awa.fm/track/c41e7734a027f3747736/
2019〜2020年選出曲【女子選手】
Breakfast in Baghdad / Youn Sun Nah
(紀平梨花:バグダッドで朝食を)SPこの曲の振り付けは、初めてシェイ=リーン・ボーンに依頼しました。「バグダッドで朝食を」は曲調が激しいので、踊る能力が高い紀平梨花だからこそのプログラムです。いきなり冒頭のトリプルアクセルから始まり、そこから一気に滑り抜けます。そのスピード感を楽しみましょう。「バクダッドで朝食を」は、韓国インジャズシンガー、ユン・スン・ナが2010年にリリースしたアルバム『Same Girl』に収録されています。エキゾチックな女らしい紀平梨花の演技が見られると期待しましょう。FSには『International Angel of Peace 』に決定。次から次へと変わっていくメロディと4回転サルコウに挑みます。
https://s.awa.fm/track/a853fb0011cace076b49/
No Roots / Straight No Chaser
(坂本花織:No Roots)SP今季の坂本香織は新ジャンルに挑戦します。坂本のスピードを活かしたクールな仕上がりになっています。「No Roots」は、愛してくれる人がいることを表現した曲です。こちらも紀平同様に、初めて振り付けを依頼したシェイ=リーン・ボーンによるアップテンポのナンバーで臨みます。ちなみに、FSには映画『マトリックスより』の楽曲を使います。表現豊かな坂本香織を評価し、今回の振り付けはかっこいいダイナミックなものとなっています。3回転フリップ&3回転トゥループが演技に勢いをもたらせます。
https://s.awa.fm/track/60db807a15e73bf51229/
Yalla Ya Tabla (Percussion) / Emad Sayyah feat. El Almaas Band
(宮原知子:Yalla Ya Tabla&Percussion Solo-Egyptian Disco)SPSPには、今まで宮原知子が演じたことのない世界感、エジプト風のメロディにヒップホップが混じる曲調です。冒頭では3ルッツ&3トゥループを跳びます。振り付けもブノワ・リショーの振付けも初めてという大きな冒険、新たな挑戦をしています。また、ガラリと変わったFSには、シンドラーのリストと、ラフマニノフの「鐘」を選択しました。宮原しか滑れないとされる美しいスピンが十分に堪能できるでしょう。女性らしいしなやかさをうまく表現しています。
https://s.awa.fm/track/79acc6b45cbf0fe0a992/
歌劇ファウストよりバレエ音楽, 2 クレオパトラと金の杯 / ゲルト・アルブレヒト/読売日本交響楽団
(アリーナ・ザギトワ:クレオパトラ)FS日本では「犬のマサル」でおなじみの、平昌五輪女王であるザギトワですが、今季のSPでは「Me Voy」を選択。長く付き合っていた恋人との恋愛模様を表現します。得意の3ルッツ&3ループは最初に跳び、後半に3フリップをもってきました。FSでは、「クレオパトラ」です。古代エジプトの女王を演じます。SP/FS共に、大人の雰囲気を感じるプログラムとなっており、成長した演技が楽しみです。
https://s.awa.fm/track/18827a3a613cf75b5364/
Exogenesis: Symphony Part 3 (Redemption) (MUSE : オリジナル歌手) / Mobile Melody Series
(エフゲニア・メドベデワ:Exogenesis: Symphony Part 3)FS平昌五輪では銀メダルのメドべデワ。SPは「エクソジェネシス交響曲第3部」です。まずはトリプルフリップ・トリプルトウループの3回転からのコンビネーションで決めていきます。また、FSは映画『SAYURI』より。日本京都の芸者をイメージした曲で、衣装にも着物を取り入れています。メドべデワの完全復活も重要なポイントです。見逃せません。