1990年代から2010年代の現在まで、20年以上も第一線で活躍する女性シンガーソングライター・椎名林檎。その魅力はやはり、「女性の業」を歌えば右に出る者はいない楽曲の独特な世界観や、時代・世代を問わず多くの人の共感を呼ぶ文学的で情感あふれる歌詞の巧みさ。1人で真剣に聴き込んでも、カラオケで歌っても「ハマる」のが椎名林檎ワールドですね。今回は、AWAで聴ける曲のなかから、そんな「椎名林檎の人気曲」をあらためてご紹介。ソロ曲からコラボ曲、バンド「東京事変」時代の楽曲まで集めてみました。
椎名林檎の人気曲をあらためて聴いてみよう! 椎名林檎ソロ曲編8選
NIPPON / 椎名林檎
NHKサッカー中継のテーマ曲としてテレビで聴かれる機会も多かった、椎名林檎流の応援ソング。歌詞に対してはさまざまな感想が多くあったものの、実際には特定の意図は全くなく「お騒がせしてすみません」と誠実な対応で丸く収めています。グルーヴを感じるフレーズにこだわり、リズムを活かした元気さが身上のこの曲、カラオケで挑戦するとかなりの難しさに驚くはず。シンガーのLiSAがのちにカヴァーしていますが、歌いこなすには彼女くらいの歌唱力が要求されるのかも。
https://s.awa.fm/track/95f94b24ee1ce238ed09/
幸福論 / 椎名林檎
「椎名林檎といえばこの曲!」と、思う人も多いでしょう。デビュー曲ながら、歌詞の普遍性や文学的なエッセンスには今聴いても唸らされてしまいます。「時の流れと空の色に何も望みはしない様に素顔で泣いて笑う君のそのままを愛している」という歌詞を、当時20歳そこそこの女の子が作ったと思うと、もうこの時点で天才以外の何と呼べばよいのか! と、思わざるを得ませんね。
https://s.awa.fm/track/31aac928c126658caa11/
本能 / 椎名林檎
椎名林檎が看護師のコスプレ姿で歌うMVを、真っ先に連想してしまう1曲。あまりにもヒットして代表曲として扱われすぎたので、今も椎名林檎といえば「ナース服を着て歌っていた人」というイメージをお持ちの方もいるでしょう。ちなみにMVではナース服を着ていながらなぜか靴は看護師さんの履かないハイヒールなので、「コスプレ」であることを意識しての映像であることが分かります。
https://s.awa.fm/track/6c6903a4217f41056d78/
人生は夢だらけ / 椎名林檎
元々は女優・高畑充希が、ミュージカルで培った歌唱力を活かして高らかに歌ったCMソング。楽曲制作を手掛けた椎名林檎がセルフカヴァーし、ひと味違った世界観となりました。この曲のMVやキービジュアルで、椎名林檎が着ている緑のコートは母親からのお下がり。そして身につけたネックレスは、本人の長女による手作り…… という、圧巻の母娘三代コラボも展開されています。椎名林檎が歌う「人生」とは、やはり「女の一生」なのだなぁとしみじみ思わされますね。
https://s.awa.fm/track/ff4e55d0cb700d9ec994/
歌舞伎町の女王 / 椎名林檎
まるで「火曜サスペンス劇場」の冒頭のような歌詞に衝撃を受け、この曲以来椎名林檎ワールドに夢中になってしまった人も多いでしょう。歌舞伎町の女王として君臨した母に代わり、15歳の娘が次なる女王をめざして歓楽街で生きることを決めるというストーリーは、1人の女性が過酷な人生を敢えて選択するという壮絶な世界観を描いたもの。女性のカッコよさも生きづらさも、シンプルな楽曲で強烈に表現しているのは「さすが」の一言です。
https://s.awa.fm/track/a25996662d4b683ed217/
自由へ道連れ / 椎名林檎
「自由」という人類永遠のテーマを、象徴的なキーワードを数多く交えて表現した1曲。「ドライブ」「世界のまん中」「まっしぐら」「初期化」「子供にも大人にもなれる」「男にも女にもならない」…… すべて、自由につながるような言葉ばかりですね。推理の天才を描くサスペンスドラマ『ATARU』の主題歌でしたが、ドラマの主人公の発想や行動の自由さを象徴したような楽曲は、ドラマの台本を読んで書き下ろしたものだとか。
https://s.awa.fm/track/3669e31ecfc926131547/
丸ノ内サディスティック / 椎名林檎
歌詞に登場する東京の地名が丸ノ内線沿線ばかりという、どちらかといえば「丸ノ内線サディスティック」的な曲。通して聴くと意味不明な言葉がたくさん飛び出してきて驚くのですが、聴き込むうちに「不景気な東京でちょっと寂しい暮らしをしているOLが、妄想を心のよりどころにして生き抜く姿」を描いていることが分かります。元々はシングル『歌舞伎町の女王』のカップリング曲として発表されましたが、この曲と『歌舞伎町の女王』が同時に聴けるシングル、今考えると豪華すぎますね……。
https://s.awa.fm/track/2e14dd0e3f4ff4474518/
ありあまる富 / 椎名林檎
金曜ドラマ『スマイル』の主題歌として書き下ろされた、椎名林檎の11枚目のシングル曲。難解な歌詞が多い椎名林檎の曲のなかで、「命より価値があるものなどどこにもありはしない」というストレートでシンプルなメッセージを含んでいる歌詞が印象的です。「お金や名誉ばかり追いかけないで!命ある自分自身が、ありあまる富そのものなんだよ」と、椎名林檎が語りかけてくれる贅沢な1曲。凹んだときに聴くと、かなり救われます。
https://s.awa.fm/track/35677e0b52dd0b76e238/
椎名林檎の人気曲をあらためて聴いてみよう! 東京事変&コラボレーション曲編4選
閃光少女 / 東京事変
「少女でいることだけで価値がある」という言い回しにしてしまうと若干恣意的ですが、椎名林檎流に「いまがどんな昨日よりも好調よ」と表現されると勇気が湧いてきますね。曲を聴く人が少女ではなくなって久しい世代であっても「若いって素敵だな、自分が若かった頃も思えば素敵だったな」と、素直に思えるキラキラした世界がこれでもか! というほど表現されている1曲です。女性に元気をくれる、椎名林檎ワールドの真骨頂のような1曲。
https://s.awa.fm/track/9f9dafd605328f6d0927/
生きる / 東京事変
人生に疲れてしまった経験があるなら、この曲の歌詞が心に響かない人はいないのでは。「若いうちは自由に憧れるけれど、大人になって自由を選べば重い責任に押しつぶされる」「欲のない人生なんてありえなかったのに、気づいたらそうなっていた」などなど、大人の苦々しさが次々と語られていきます。でも、たとえそうあっても「命に勝る宝などない、今を生きよう!」という結論をスッと出してくれる林檎姉さん。素敵です……。
https://s.awa.fm/track/02f86ff0a572ff116666/
おとなの掟 / 椎名林檎と松崎ナオ
椎名林檎と同時期にデビューし、同じ時代に音楽活動をしてきた盟友・松崎ナオとコラボしたセルフカヴァー曲。原曲を歌うDoughnuts Holeは、椎名林檎と同世代の女優・松たか子を中心とした4人組でした。「大人は素直に気持ちを伝えると、今ある平和を壊してしまうことがある」という歌詞は、ある程度の年齢になると痛いほど共感せざるを得ませんね。
https://s.awa.fm/track/cc30ad1afe9242a98c12/
殺し屋危機一髪 / SOIL&"PIMP"SESSIONSと椎名林檎
クールな楽曲とエネルギッシュなパフォーマンスが話題のジャズバンド・SOIL&"PIMP"SESSIONSと、かねて彼らに注目してきた椎名林檎が久々にコラボレーションを果たした1曲。ジャズに椎名林檎のボーカルが乗る…… となると想像が難しいかもしれませんが、そこは3度目のコラボ。さすがにカッコよく、オシャレなナンバーになっています。楽曲を聴いて気に入ったら、映像世界がこれまたカッコいいMVにも注目してみて。